「あーもー、顔逸らすなよ!」



いやいや、逸らさなきゃあんたキスするでしょう! 嫌だわ!!



そんな私の思いも虚しく、男の手の力によって顔を固定された。



「もうこれで、逸らせねぇな」



男はそう呟くと、再び顔を近づけ始めた。



あぁ…、もうだめだ……



観念して抵抗を止めると、意を決して目を硬く瞑った。




男の顔が、もう目の前まで近づいてきたことを察した、そのとき…




ドガァンッッ!!!!




「何だっ!??」




思いっきり扉を蹴ったような叩いたような、鈍い音がした。