俺様王子のお気に入り





最近は、翔がいたから、あまり気にしてなかった。



それに、いつもは部活終わりの人が数人いるはず、なんだけど。



今日は誰一人、残っていなかった。




…翔と話している間に、きっとみんな帰ってしまったんだろう。




振り返ると、校舎からはぽつぽつと疎らに点いている電気の眩しい明かりが、窓から漏れていた。




…大丈夫だ。




近くに人は、いる。




怖くなんか…ない。