「お前、ほんとに大丈夫? さっきから、一言もしゃべらなかったけど。何かあったか?」




そう言って、顔を覗き込んでくる翔。



近い。




今までだったらただ「近すぎっ!」って言って私から離れた。




…けど。





「…っ、だ、大丈夫っ! ちょっと、寒さで何も考えられてなかったっていうか…、とにかく、平気!」





今日は、驚くぐらい、心臓が高鳴った。