「じゃ、行こうか。桜木さん」 翔がニッコリと王子様スマイルで私を振り返る。 たちまち、女子のみなさんの目は♡(ハート)になる。 桜木“さん”だって!! いつもは下の名前で呼び捨てのくせに! 「…へーい」 いつもの翔とのあまりの違いさに呆れながらも、 再び前を歩き出した翔の少し後ろを、私も歩き出した。