「あー、あれね。お前いきなり倒れるもんだから、びっくりするわ。まー、いいけど。それより、俺ストーカーの話が聞きたい」
「あー…、うん。てゆーか、ストーカーかどうか、まだわかんないけど…」
翔に促された私は、別にそんな言いたいわけじゃないから、正直渋々口を開いた。
美菜に言ったように、簡単に〝ストーカーかもしれない〟人の話をする。
部活帰りが最近一人で、それから後をつけられているような気がすること。
その人物に心当たりはないこと。
でも、つけられること以外は何もされないこと。
…一通り話し終えた私は、ふぅ、と息を一つ吐いた。



