俺様王子のお気に入り





痛くはなかったけど、思わずびっくりした私は、美菜の口を押えていた手を外してしまった。



その隙を狙って、美菜がここぞとばかりに喋り始めた。




「あのですねっ、私いつも鈴乃と下校の時帰ってるんですが、最近部活で帰る時刻がずれて、鈴乃一人なんです。その時に鈴乃がストーカーっぽい被害にあってるんです!!! 翔くん、鈴乃と同じ剣道部だし、帰る方向も一緒だから、もしよろしければ鈴乃と帰ってほしいなと…」




「ストーカー?」



「あ――っっ!! もう! 美菜言っちゃったなら仕方がないから私の口から説明する! だから、美菜は教室戻りましょう!」




もう誤魔化しても仕方がないと思った私は、ため息をつきながら言った。





美菜め…、あとで覚えときなさいよ~~っ