俺様王子のお気に入り





「呼んだか?」



翔はそう言って、ペットボトルのコーラをごくんと飲む。



「な、何でもない何でもないっ! さぁさぁどうぞ、教室にお戻りください」



「んーーっ、むぐっ、~~~っ」



暴れる美菜を必死に抑えて、私は翔に(多分)引きつった笑顔で言った。



「そちらさんはなんか言いたそうだけど?」



そんな私たちを見て、不思議そうに翔は美菜を指さす。



その瞬間、美菜が軽く私の手を噛んだ。