「よー。鈴乃」 「何か用…?」 廊下で壁にもたれながら、私を待っていた翔。 ぼーっとする中、ちら、と翔を見ると、何だかニヤついている。 「あれ、お前、昨日の事覚えてねぇの?」 「昨日…?」 昨日? 昨日…何かあったっけ? あー、だめ。上手く頭が回らない。 「えっと…何かあった?」 「嘘だろ、お前、マジで覚えてねぇの? じゃー、言うけど……。…キス、しただろ」 「キス…?」