私には感情というのがないらしい。

中学校のころ、勉強はできても友達をつくることはなかったし、笑うことは一切なかったと幼稚園からの幼馴染が言う。

そんな私には蓮(れん)という小学校からの馴染みで高校も一緒になった男子生徒がいた。なにかと私を気にかけているみたいだけど、私には迷惑な存在だった。

私は醜い女だ。

 過去に犯した罪を償っていないのだから…。

4月6日、私は聖エストラル学園の入学式の場にいた。

この学園は世界でも有数の企業が立ち上げたと言われている名門校。

入学試験がとても難しく、入るのには苦労した。

式はあっという間に終わってしまって私は教室にとどまっていた。