僕はピエロ



「…ピエロ…」


「でね!ママ!
…あれうれしくないの?」


「あ、いや「あのね笑う方法知ってるんだ」


「ママ、今日は何の日?」


「…クリスマスでしょ…」


「メリークリスマス
ってハッキリ言って!」


「メリークリスマス」


「ほらっ笑えるんだよ!」


子供はキラキラした瞳で
ママの反応を待った。


だがママからは切ない表情が浮かんだ。



「…私もね、教えてもらったことあるのよ
笑顔になれる方法をね
…あのピエロに…」


「あのピエロに!?」


「…ええ、優しいピエロでしょ?」


「うん!ボクに手袋を渡してくれたし
ボクを笑顔にさせてくれた!」


「うん。いつでも
人を笑顔にしようとするのよ
あのピエロはね。」


意味深な言葉に
キャロルは少し戸惑った。


でも話し終えたママが
ピエロの方を見て微笑んだので
キャロルは何も聞かなかった。