僕はピエロ



「「クリスマス」」

ピエロと子供は
声を被らせて言った。


「そう今日はクリスマス。
ママに花を渡して
こう、ハッキリ言ってごらん
`メリークリスマス'ってね」


「…メリークリスマス。」


「もっとハッキリ!」


「メリーぃ」


「もっともっと!
`イイ'って口動かして」


「メリークリスマス!」


「そう!」


「なんでこんな?」


「簡単だよ。笑えるから。
イイってやると笑顔になれるからさ」

「あ!ホントだ…!」


「だろ?良い笑顔だよ。
さあ涙拭いて、
ホラ向こうで走って来ているのは
君のママじゃないのかな?」


「ぇー…!ママっ!」


子供は薔薇を持って
ママに駆け寄った。
気づいた向こうも同じように
走って来た。