僕はピエロ



「分かってもらえなくて
悲しかったんだよね?」


コクと頭を縦に振った。


「じゃあこのピエロが
君にママと仲直り出来る
方法を教えようかな」


風船を軽く振って
ふあふあ動くソレを見ながら
ピエロは言った。


そして左の手を後ろに回すと
紅い薔薇を出した。


「それ、どうやってるの?」

薔薇のことよりも
薔薇を出したことに興味がある子供。


「…んーまあまあ、
それはナイショだよ。
でね、この花知っている?」


「バラでしょ
ママが好きな花だよ」


「そーか!それは偶然!
じゃあ分かるかい?」


「え、っと…
ママに渡す…?」


「そう!
さすが君だね
じゃ、もう1つ。分かるかな?
今日は何の日ー」