ネットカフェ・ラプソディ


 店長とセーラー服の女性客の目がばっちり合う。


「あ~っ、テンちゃん!」

「うわっ、レイちゃん!? なんでこんなトコに?」


 え? テンちゃん? レイちゃん? 
 え? 知り合い? 店長の?
 え? 『店』長だからテンちゃん?

 セーラー服の女性客はニコニコして手を振っている。


「お店がヒマだから、ちょっと寝ようかな~って思って」

「あー、そうなんだぁ。じゃあ、ボクが『いらっしゃいませ』言う番だね、あはははは」


 店長はそう言いながら、レジで女性客の入店処理を行った。


「ごゆっくりどうぞ~、あはははは」


 店長は鼻の下を伸ばしながら、女性客を店の中へ促した。
 女性客はにっこり笑い、コツコツとヒールを鳴らしながら、店の奥へと歩いていった。
 さらりさらりと流れるロングヘアと、ヒラヒラのミニスカの後ろ姿。
 僕がブラックバスだったら、魅力的なルアーにバクっと食いついてたと思う。
 

「伊藤くん、いまの客と入店でなんかあったの?」


 店長はじろりと僕を見た。


「え、いえ。あの、制服だったので入店拒否……」

「あぁ、そーゆーコトか。いまのはフーゾク店のコスプレ制服だからいいんだよ」


 あ~、fz嬢か~。
 深読みしないで挿れちゃえば……、じゃない、入れちゃえば良かったなぁ。


「まあ、アレだよ、伊藤くん? 都の青少年育成防止条例の改正案では、制服=18歳未満とみなすとあるんだ」

「はぁ……」

「その改正案が通れば、フーゾク店の制服コスプレも禁止になるかも知れない。制服コスで遊ぶなら今のうちだよ!」


 店長はヤラシー笑みを浮かべて、親指をグッと立てた。
 イヤイヤイヤ、僕を巻き込まないで下さい。
 てゆか、アンタ、そーゆーショミがあったんかい!
 30過ぎて結婚もしないで、そんな店でセーラー服と遊んでて、ホントに大丈夫か?
 まったく、テンちゃんにも困ったもんだ。
 でも、さっきの女性客となら……アリかも?
 
 デヘッ。

 
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