少年の愛したトロイメライ


しかし傘がないから、早く帰りたかったのは事実。

僕は足早に帰路についた。

だがタイミングの悪いことに、暫く歩いた所でぽつぽつと雨が降り始めた。

まだ家まで距離がある。かといって、学校に戻るのも微妙だ。


考えた末、僕は家まで走ることにした。

にわか雨だと思っていたが、段々と激しくなる雨に不安を感じる。