正直、出来る事なら、そろそろ『真夜中の十二時』と普通に付き合いたいとも思っていた。

「チャンス…なのかも。」

不安と期待の入り混じる心持ちの中、心は床に就いた。



「はあ、はあ。な、何とか間に合ったぞぉ~っ!

…お、おはよ、心。今日の数学の宿題、やってきた?」

「ん?ああ、遅刻魔の圭子か。ん、今何か言った?」

「遅刻魔って…
だ、だから、数学の宿題、やってたら見せて欲しいな~、なんて…
って、どうしたの?何か、ぼーっとしちゃって。」

「えっ?…い、いや何でも…」

「あっ、そう。所で、数学の宿題…」

「…うん、やってない。」

「だろうね…万が一の可能性に賭けてみただけさ。」

「万が一って…私だって、いつもいつも、宿題やってこないわけじゃないんですけどもぉ~っ。」

「あははっ、ゴメン、ゴメン。」

「全く、もうっ!」

今、心と会話をしている藤山圭子は、丁度心の右横の席に座る少女で、心とは大の仲良しである。