言い終わると圭子は、勇平をナイフで脅し、席から立たせたかと思うと、いきなり勇平の股間めがけて、思いっきり右足で蹴り上げた。

「ぐっ!!?」

不意をつかれた勇平は、もろに圭子の蹴りを受けて、悶絶しながら前のめりに崩れ落ちた。

「ぐ、ぐっ…こ、殺さないで…わ、わび料はいくらでも出す。
そ、そうだとりあえずこれを…」

勇平はポケットから財布を取り出し、圭子に渡そうとしたが、すかさずそれを圭子が蹴り飛ばしてしまった。

「ヒイッ!」

「…呆れた男。とことん腐ってるわねアンタ!

…死を前にしても、心からの反省が出来ないなんて!」

「はっ!?あ、ああ…ああ、こ、こうすればいいんだな?

ほ、本当にすみませんでした…ぶっ!!?」

勇平が土下座をした瞬間、圭子は勇平の首筋目掛けて一気にナイフを振り下ろしていた。



「…地獄の沙汰も、金次第って言うけれど、アンタケチだから、きっと岡本の分は払いそうには無さそうね。

…さて、お待たせ。待ちくたびれて寝てたのなら、ごめんなさい?

アンタで最後よ…」