-あれだけ待ってもかかってこなかった、『真夜中の十二時』からの電話!-

心は驚いた。『真夜中の十二時』は、まだ登校してないのか。

改めて心は、教室中の男子を見回した。

-全員…いる!ど、どういう事!?-

『真夜中の十二時』は、心と同じクラスメートでは無かったのか?『真夜中の十二時』が、嘘でたらめを言っていたのだろうか?

-…違う、そんなはずはない!-

心は、未だ鳴り続ける携帯電話の通話ボタンを押し、電話にでた。

「…もしもし?

…『真夜中の十二時』?」

返答は無い。

「もしもし!あなた、『真夜中の十二時』なんでしょ?

決して朝昼にはかけてくる事の無いあなたが、一体なぜ…


…なぜ電話くれなかったのよ!私、私せっかく…


あなたにお別れの挨拶に来たのに!」

そう言った瞬間、心は、自分の心の奥底に眠る、『真夜中の十二時』への気持ちに気付いた。