理由らしき理由など、無い。あえて言えば、思春期と言うやつなのか。何かが足りない毎日。それを解ってくれる者のいない、孤独。

それが、謎の人物『真夜中の十二時』と会話をしていると、足りなかった何かが補われている気が、心にはするのだった。

ある日の事。


心が、部屋でファッション雑誌を読んでいた時、不意に部屋のドアが開かれ、母親が入ってきた。
それに対して心は、露骨に嫌そうな態度で言った。

「もう!入ってくる時は、ノックの一つはするっ!あんたのそのデリカシーの無さが、超ムカつくんだけれど?」

「まあ!親に向かって、なんて口の聞き方!
あなた最近、おかしいわよ?どうしたの?


「どうでもいいけれど、何か用?」

「あなたあての手紙。」

「誰から?」

「それが、変なのよねえ。差出人が不明なのよ。書き忘れたのかしら?」

「まあ良いわ。そこの机の上にでも置いといて。
…そして、さっさと出て行って。」