片づけを終えた後息吹がおにぎりを作っているのを目撃した山姫は、息吹が楽しそうにしている姿にぴんときて腕まくりをすると隣に立った。
「どれ、母様も手伝ってあげるよ」
「え?あ、あの…これは…その…」
「主さまとどっかに行くんだろ?なんだい、もしかして告白したのかい?」
ぎくっとなった息吹が手元が狂って塩を大量に振りかけてしまいながらも首を振り、乾いた笑い声を上げた。
「あ、あはは…まさか!言えるわけ…ないよ…」
「全く相変わらずまどろっこしいことだねえ。さっさとくっついちまえばいいのに」
「母様はどうなの?父様が本当の父様になる予定はないの?」
話題を変えようとして逆に問うと、今度は山姫の手元が狂って塩が白米に大量に降りかかり、肩で肩を押された。
…顔は真っ赤になっていた。
「か、からかうんじゃないよ!晴明がなんだって?!あたしがあんな乳臭くて青二才のガキと夫婦になるわけないだろ!」
「そう?私はお似合いだと思うんだけど…」
「あたしはあいつが赤子だった頃から知ってるんだよ。愛だの恋だのの対象になるわけないよ」
「でも私だって主さまに育ててもらったけど、好きになったよ。歳の差とか関係ないんじゃないかな」
逆に息吹に諭されてしまった山姫は手を洗いながら水滴を息吹の顔に向かって飛ばし、布巾で手を拭いて声を落とした。
「逢引のことは内緒にしていてあげるから、主さまとうまくいったら1番にあたしに言うんだよ。約束だからね」
「う、うん。約束ね」
――漬物とおにぎりを風呂敷に包んで部屋に戻り、寝かせていた赤子を抱っこして乳を与えてやっていた時、すらりと襖が開いた。
顔を出したのは主さまで、辺りをきょろりと見回すと警戒しながら中へ入って来て声を落とした。
「用意はできたか?」
「うん。ねえ、父様に言わなくていいのかな」
「言うと反対される。…それでもいいのか?」
「やだっ。主さま行こ。雪ちゃんに見つかるとまたぎゅってされちゃうから」
「……」
…主さまはさっきから雪男を捜していたのだが、殺気を察知したのかどこにも姿はなく、逆にそれを逆手にとった主さまは息吹と庭に下りるとひょいと腕に抱き上げた。
2人でどこかへ出かけるのは晴明への贈り物を買いに行った以来だ。」
楽しみで仕方がなかった。
「どれ、母様も手伝ってあげるよ」
「え?あ、あの…これは…その…」
「主さまとどっかに行くんだろ?なんだい、もしかして告白したのかい?」
ぎくっとなった息吹が手元が狂って塩を大量に振りかけてしまいながらも首を振り、乾いた笑い声を上げた。
「あ、あはは…まさか!言えるわけ…ないよ…」
「全く相変わらずまどろっこしいことだねえ。さっさとくっついちまえばいいのに」
「母様はどうなの?父様が本当の父様になる予定はないの?」
話題を変えようとして逆に問うと、今度は山姫の手元が狂って塩が白米に大量に降りかかり、肩で肩を押された。
…顔は真っ赤になっていた。
「か、からかうんじゃないよ!晴明がなんだって?!あたしがあんな乳臭くて青二才のガキと夫婦になるわけないだろ!」
「そう?私はお似合いだと思うんだけど…」
「あたしはあいつが赤子だった頃から知ってるんだよ。愛だの恋だのの対象になるわけないよ」
「でも私だって主さまに育ててもらったけど、好きになったよ。歳の差とか関係ないんじゃないかな」
逆に息吹に諭されてしまった山姫は手を洗いながら水滴を息吹の顔に向かって飛ばし、布巾で手を拭いて声を落とした。
「逢引のことは内緒にしていてあげるから、主さまとうまくいったら1番にあたしに言うんだよ。約束だからね」
「う、うん。約束ね」
――漬物とおにぎりを風呂敷に包んで部屋に戻り、寝かせていた赤子を抱っこして乳を与えてやっていた時、すらりと襖が開いた。
顔を出したのは主さまで、辺りをきょろりと見回すと警戒しながら中へ入って来て声を落とした。
「用意はできたか?」
「うん。ねえ、父様に言わなくていいのかな」
「言うと反対される。…それでもいいのか?」
「やだっ。主さま行こ。雪ちゃんに見つかるとまたぎゅってされちゃうから」
「……」
…主さまはさっきから雪男を捜していたのだが、殺気を察知したのかどこにも姿はなく、逆にそれを逆手にとった主さまは息吹と庭に下りるとひょいと腕に抱き上げた。
2人でどこかへ出かけるのは晴明への贈り物を買いに行った以来だ。」
楽しみで仕方がなかった。

