もし親御が見つからなかったら…息吹の時のように手元で育ててやれなくもない。
だがそれは、息吹のためだ。
この赤子に感情移入し、自身を重ね合わせている息吹はきっとこの赤子を育てたがるだろう。
…それもいい。
息吹がそれで笑ってくれるのなら。
「…晴明の人相書きはどうだ?」
「うん…そっくりだったよ。父様が人捜しをしているっていう噂も流してくれるみたいだから…主さま…すぐ見つかるよね?見つからなかったら…私…」
「…お前が育てたらいい」
「……え?」
主さまは息吹を膝に乗せると親指で頬を伝った涙を拭ってやり、息吹の香を楽しむように首筋に顔を埋めると耳元で囁いた。
「俺も協力する。その時はお前が育てろ。1人前の女にして、平安町に帰してやれ」
「…主さま…!」
子供の時のように主さまにぎゅうっと抱き着き、それまで真面目な顔を取り繕っていた主さまは息吹の身体のやわらかさに触れて悶々しつつ、咳払いをして背中を撫でた。
「だがまだ名はつけるな。本当に親御が見つからないとして、手元で育てると決めた時につけろ。わかったな?」
「はい。主さま大好き」
――息吹は時々“大好き”と言ってくれるが、主さまはなかなかそう切り出すことができない。
恥ずかしい、というのもあるが…自分を止められなくなりそうだから、という不安もあるからだ。
だが…息吹が喜んでくれるのなら…
「…………俺も…好きだ」
「!ぬ、主さまっ?急にどうしたのっ?いつもは言ってくれないのに…」
「…俺だって時々は言う。…もっと触らせろ」
どぎまぎする息吹にどぎまぎしつつ、腰を抱いてぴったりと密着すると、晴明に聞き耳を立てられていないか気にしながらも、息吹の唇をかすめるような口づけをしながら囁いた。
「…近いうち3人でどこかに出かけよう。どこがいい?」
「でも…百鬼夜行は?」
「夜に戻ればいい。そういう気遣いはするな」
息吹は考えた挙句、主さまの頬にちゅっと口づけをするとしっかり抱き着いた。
「あのお花畑がいいな」
「じゃあそうしよう」
主さまが優しく抱きしめてくれた。
だがそれは、息吹のためだ。
この赤子に感情移入し、自身を重ね合わせている息吹はきっとこの赤子を育てたがるだろう。
…それもいい。
息吹がそれで笑ってくれるのなら。
「…晴明の人相書きはどうだ?」
「うん…そっくりだったよ。父様が人捜しをしているっていう噂も流してくれるみたいだから…主さま…すぐ見つかるよね?見つからなかったら…私…」
「…お前が育てたらいい」
「……え?」
主さまは息吹を膝に乗せると親指で頬を伝った涙を拭ってやり、息吹の香を楽しむように首筋に顔を埋めると耳元で囁いた。
「俺も協力する。その時はお前が育てろ。1人前の女にして、平安町に帰してやれ」
「…主さま…!」
子供の時のように主さまにぎゅうっと抱き着き、それまで真面目な顔を取り繕っていた主さまは息吹の身体のやわらかさに触れて悶々しつつ、咳払いをして背中を撫でた。
「だがまだ名はつけるな。本当に親御が見つからないとして、手元で育てると決めた時につけろ。わかったな?」
「はい。主さま大好き」
――息吹は時々“大好き”と言ってくれるが、主さまはなかなかそう切り出すことができない。
恥ずかしい、というのもあるが…自分を止められなくなりそうだから、という不安もあるからだ。
だが…息吹が喜んでくれるのなら…
「…………俺も…好きだ」
「!ぬ、主さまっ?急にどうしたのっ?いつもは言ってくれないのに…」
「…俺だって時々は言う。…もっと触らせろ」
どぎまぎする息吹にどぎまぎしつつ、腰を抱いてぴったりと密着すると、晴明に聞き耳を立てられていないか気にしながらも、息吹の唇をかすめるような口づけをしながら囁いた。
「…近いうち3人でどこかに出かけよう。どこがいい?」
「でも…百鬼夜行は?」
「夜に戻ればいい。そういう気遣いはするな」
息吹は考えた挙句、主さまの頬にちゅっと口づけをするとしっかり抱き着いた。
「あのお花畑がいいな」
「じゃあそうしよう」
主さまが優しく抱きしめてくれた。

