裸を見られてしまって出るに出られず、主さまを叱りつけて戻ってきた山姫に赤子を預けながら着物を着ると、ため息をつかれた。
「全く…嫁入り前の娘が肌を見せちゃ駄目だよ。いくら主さまだからって…」
「主さまが勝手に入ってきたんだもんっ!もぉやだ、全部見られちゃった…」
泣きべそをかく息吹に反応した赤子が同調して泣き出し、山姫はやれやれと肩を竦めながら着替えを終えた息吹に赤子を押し付けた。
「顔を合わせにくいだろうけど時間を置くともっと合わせにくくなるから早く行っといで」
「…うん」
瞬きもせずにじっと見上げて来る赤子に緊張がほぐれ、皆が集まっている広間に着くと、主さまは皆からやんやと非難されていた真っ最中だった。
「い、息吹の裸を見るなんてうらやまし……違う!勝手に風呂場に入るなんてどうかしてるぜ!」
「わざとじゃない!失念していただけだ!…そんな目で俺を見るな!」
晴明と銀は無言。
轟々と非難しているのは実際は雪男だけだったのだが、無言の方がよほど怖い。
赤子が甲高い声を上げたので皆が息吹を見て、晴明が小さなため息をついた。
「ひどい目に遭ったねえ。もしや十六夜…息吹の肌を見るために画策したのでは」
「馬鹿を言うな!わざとじゃないと何度言わせればいいんだ!…もう寝る!」
主さまは満足に息吹と目を合わせられないままそそくさと自室に逃げ、むっとなった息吹はずんずんと主さまに近付いて襖の隙間からするりと中へ入った。
「!?」
「主さま私に謝って!お嫁に行くまで見せないって決めてたのに!」
――そう詰問されてまざまざとあの光景を思い出してしまった主さまは手で口を覆いながらよろめき、顔を真っ赤にしつつようようと頭を下げた。
「…すまなかった」
「…わかったならいいのっ。1年後まで待ってっ。それまでにぷくぷくになるからっ」
「いや、もうそれで十分………なんでもない」
「あぶあぶあぶーっ」
床に座った主さまの隣に座ると、きゃっきゃと声を上げ続ける赤子の手を代わる代わる握り、2人で瞳を細めた。
――こんな可愛い子が欲しい。
素直に、そう思った。
「全く…嫁入り前の娘が肌を見せちゃ駄目だよ。いくら主さまだからって…」
「主さまが勝手に入ってきたんだもんっ!もぉやだ、全部見られちゃった…」
泣きべそをかく息吹に反応した赤子が同調して泣き出し、山姫はやれやれと肩を竦めながら着替えを終えた息吹に赤子を押し付けた。
「顔を合わせにくいだろうけど時間を置くともっと合わせにくくなるから早く行っといで」
「…うん」
瞬きもせずにじっと見上げて来る赤子に緊張がほぐれ、皆が集まっている広間に着くと、主さまは皆からやんやと非難されていた真っ最中だった。
「い、息吹の裸を見るなんてうらやまし……違う!勝手に風呂場に入るなんてどうかしてるぜ!」
「わざとじゃない!失念していただけだ!…そんな目で俺を見るな!」
晴明と銀は無言。
轟々と非難しているのは実際は雪男だけだったのだが、無言の方がよほど怖い。
赤子が甲高い声を上げたので皆が息吹を見て、晴明が小さなため息をついた。
「ひどい目に遭ったねえ。もしや十六夜…息吹の肌を見るために画策したのでは」
「馬鹿を言うな!わざとじゃないと何度言わせればいいんだ!…もう寝る!」
主さまは満足に息吹と目を合わせられないままそそくさと自室に逃げ、むっとなった息吹はずんずんと主さまに近付いて襖の隙間からするりと中へ入った。
「!?」
「主さま私に謝って!お嫁に行くまで見せないって決めてたのに!」
――そう詰問されてまざまざとあの光景を思い出してしまった主さまは手で口を覆いながらよろめき、顔を真っ赤にしつつようようと頭を下げた。
「…すまなかった」
「…わかったならいいのっ。1年後まで待ってっ。それまでにぷくぷくになるからっ」
「いや、もうそれで十分………なんでもない」
「あぶあぶあぶーっ」
床に座った主さまの隣に座ると、きゃっきゃと声を上げ続ける赤子の手を代わる代わる握り、2人で瞳を細めた。
――こんな可愛い子が欲しい。
素直に、そう思った。

