主さまと息吹の関係性が変わってきている――
その微細な変化を読み取っていた雪男は、主さまの部屋から出て来た息吹を待ち構えていた。
「息吹、ちょっと話しようぜ」
「うん、雪ちゃんどうしたの?」
朝はまだそんなに暑くはないのでひさしのある縁側に座ると、団扇を仰ぐ息吹の手をひんやりとした手で握り、顔を覗き込んだ。
「主さまの部屋で何してたんだ?顔赤いんだけど」
「えっ!?い、いつも通りだよ?主さまに朝の挨拶をしに行って、ちょっとからかって、ちょっとからかわれただけ」
「ふうん」
間違ってはいないのだが微妙にあれこれ隠しつつ答えると、雪男は全く納得していない態の返事を返し、雪男の頬を引っ張った。
「なんなの?何が言いたいの?」
「…最近あんまり俺と話さないだろ?避けられてるのかな…って思ってさ」
「!ち、違うよ!だって…雪ちゃんが…その…」
「あんだよ」
冷たい茶を啜りながらふてくされた声を上げる雪男にちょっとだけきゅんとした息吹は、青くさらさらの雪男の髪を撫でながら素直にそれを口にした。
「雪ちゃんが私をお嫁さんにしたいって言ったから…何を話せばいいのかわからないの。わかった?」
足元の石を蹴りながら雪男の顔を見られないでいると互いに沈黙してしまい、気になってちらっと上目遣いで盗み見ると…
雪男はとてもとても嬉しそうに笑っていた。
「俺のこと…意識してんのか?」
「い、意識っていうか…そうなるのかな…わかんない」
「ふうん…へえ…そっかあ…じゃあいいや。来いよ、俺の膝に乗せてやるよ」
「え…、きゃっ」
急に両脇を抱えられたかと思ったら膝に乗せられて、すぐ傍にある雪男の真っ白でいて綺麗な顔に意識しまくってしまった息吹が胸を押して逃れようとしたが、雪男の手はしっかり腰に回っていて離れない。
「お前が小さかった頃は俺の膝がお前のお気に入りだったんだぜ」
「ち、小さい頃の話でしょっ?私はもうおっきいもんっ」
「息吹…俺の嫁さんになれよ。絶対幸せにすっから」
――愛を囁かれ、背筋がぞくっとした。
その微細な変化を読み取っていた雪男は、主さまの部屋から出て来た息吹を待ち構えていた。
「息吹、ちょっと話しようぜ」
「うん、雪ちゃんどうしたの?」
朝はまだそんなに暑くはないのでひさしのある縁側に座ると、団扇を仰ぐ息吹の手をひんやりとした手で握り、顔を覗き込んだ。
「主さまの部屋で何してたんだ?顔赤いんだけど」
「えっ!?い、いつも通りだよ?主さまに朝の挨拶をしに行って、ちょっとからかって、ちょっとからかわれただけ」
「ふうん」
間違ってはいないのだが微妙にあれこれ隠しつつ答えると、雪男は全く納得していない態の返事を返し、雪男の頬を引っ張った。
「なんなの?何が言いたいの?」
「…最近あんまり俺と話さないだろ?避けられてるのかな…って思ってさ」
「!ち、違うよ!だって…雪ちゃんが…その…」
「あんだよ」
冷たい茶を啜りながらふてくされた声を上げる雪男にちょっとだけきゅんとした息吹は、青くさらさらの雪男の髪を撫でながら素直にそれを口にした。
「雪ちゃんが私をお嫁さんにしたいって言ったから…何を話せばいいのかわからないの。わかった?」
足元の石を蹴りながら雪男の顔を見られないでいると互いに沈黙してしまい、気になってちらっと上目遣いで盗み見ると…
雪男はとてもとても嬉しそうに笑っていた。
「俺のこと…意識してんのか?」
「い、意識っていうか…そうなるのかな…わかんない」
「ふうん…へえ…そっかあ…じゃあいいや。来いよ、俺の膝に乗せてやるよ」
「え…、きゃっ」
急に両脇を抱えられたかと思ったら膝に乗せられて、すぐ傍にある雪男の真っ白でいて綺麗な顔に意識しまくってしまった息吹が胸を押して逃れようとしたが、雪男の手はしっかり腰に回っていて離れない。
「お前が小さかった頃は俺の膝がお前のお気に入りだったんだぜ」
「ち、小さい頃の話でしょっ?私はもうおっきいもんっ」
「息吹…俺の嫁さんになれよ。絶対幸せにすっから」
――愛を囁かれ、背筋がぞくっとした。

