道長が息吹にでれでれしていると、真っ白な男が顔をひょっこり出した。
「おや、来客か。どこのどいつだ」
「!お前は…妖か!…あれ?俺の刀は…」
「ここです。道長様、銀さんは悪い妖じゃないの。銀さんっ、ここに座って!」
銀のふかふかの耳や尻尾を触りたくて仕方のない息吹が隣をぽんぽんと叩くと、さも自慢げな表情を浮かべた銀はわざと耳をぴょこぴょこと動かしながら息吹の隣に座り、晴明を噴き出させた。
「だが…百狐じゃないか。そなたの身内なのか?」
「そうだ。それに百狐と言えば善狐だぞ、滅多に悪さはせぬ」
「する時はとっておきの悪戯をしてみせるがな。今日は十六夜の屋敷へ行かないのか?」
「うん、今日は父様とずっと一緒に居るの。銀さんはどこに行ってたの?」
「見せようと思っていたものがあるんだが、じゃあそれは明日にしよう。俺も一緒に行くがいいか?」
「はいっ」
早速手を伸ばしてやわらかくてふかふかの耳を触りまくる息吹は本当に嬉しそうで、やや嫉妬した道長は息吹から奪い取られていた刀をそっと引き寄せた。
「これ道長、我が屋敷にて諍いは起こすな。落胤探しでさぞ疲れたろう、今宵は飲んで飲みまくれ」
「お、おう。い、い、息吹、晩酌をしてもらえぬか」
「はいっ。銀さん、後で尻尾も触らせてねっ」
息吹が銀にすっかり夢中になってしまい、晴明がさらに道長をからかうべく自身の左右の頭に手を添えると何かを唱え、その後…銀とそっくりの真っ白な耳が生え、息吹を興奮させた。
「ち、父様に耳が!」
「術で隠しているだけ、と言ったろう?おや、なんだい、触りたいのか?」
道長がじっとりと羨ましげに見つめる中、息吹は晴明の膝に上り込んでどきどきしながら耳に触った。
「わあっ、ふかふかもふもふ!父様、素敵っ」
「十六夜に耳と尻尾が生えていたならば、もっと夢中になったやもしれぬな」
「え!?………うん、すごくいい!今度主さまに術をかけてみて下さいっ」
想像だけでお腹いっぱいの息吹は晴明とこそこそ話をし、道長の臍をさらに曲げさせた。
「おや、来客か。どこのどいつだ」
「!お前は…妖か!…あれ?俺の刀は…」
「ここです。道長様、銀さんは悪い妖じゃないの。銀さんっ、ここに座って!」
銀のふかふかの耳や尻尾を触りたくて仕方のない息吹が隣をぽんぽんと叩くと、さも自慢げな表情を浮かべた銀はわざと耳をぴょこぴょこと動かしながら息吹の隣に座り、晴明を噴き出させた。
「だが…百狐じゃないか。そなたの身内なのか?」
「そうだ。それに百狐と言えば善狐だぞ、滅多に悪さはせぬ」
「する時はとっておきの悪戯をしてみせるがな。今日は十六夜の屋敷へ行かないのか?」
「うん、今日は父様とずっと一緒に居るの。銀さんはどこに行ってたの?」
「見せようと思っていたものがあるんだが、じゃあそれは明日にしよう。俺も一緒に行くがいいか?」
「はいっ」
早速手を伸ばしてやわらかくてふかふかの耳を触りまくる息吹は本当に嬉しそうで、やや嫉妬した道長は息吹から奪い取られていた刀をそっと引き寄せた。
「これ道長、我が屋敷にて諍いは起こすな。落胤探しでさぞ疲れたろう、今宵は飲んで飲みまくれ」
「お、おう。い、い、息吹、晩酌をしてもらえぬか」
「はいっ。銀さん、後で尻尾も触らせてねっ」
息吹が銀にすっかり夢中になってしまい、晴明がさらに道長をからかうべく自身の左右の頭に手を添えると何かを唱え、その後…銀とそっくりの真っ白な耳が生え、息吹を興奮させた。
「ち、父様に耳が!」
「術で隠しているだけ、と言ったろう?おや、なんだい、触りたいのか?」
道長がじっとりと羨ましげに見つめる中、息吹は晴明の膝に上り込んでどきどきしながら耳に触った。
「わあっ、ふかふかもふもふ!父様、素敵っ」
「十六夜に耳と尻尾が生えていたならば、もっと夢中になったやもしれぬな」
「え!?………うん、すごくいい!今度主さまに術をかけてみて下さいっ」
想像だけでお腹いっぱいの息吹は晴明とこそこそ話をし、道長の臍をさらに曲げさせた。

