屋敷に着くとすぐに風呂に入り、今日の出来事を噛み締めた。
…正直言ってまだ実感がない。
主さまから告白されたこと…
主さまに告白したこと…今思うと、顔から火が出そうなくらいに恥ずかしい。
「私のこと…おばあちゃんになっても好きでいてくれるかな」
気になるのはただその一点。
今は若いからいいかもしれないが、人としてゆっくり年老いていき、しわくちゃになって…身体も動かなくなって…
それでも好きでいてもらえるだろうか?
「私も…妖に生まれたかったな」
上せてしまいそうになり、ふらふらしながら風呂から上がり、ふらふらしながら庭を見渡せる部屋へ移動すると、そこには晴明と銀が晩酌をしていた。
「息吹、顔が真っ赤だぞ。さあ、父様の隣に来なさい」
「膝枕してもらってもいい?」
「嫁に行くというのにいつまで経っても子供だな。まあいい、来なさい」
烏帽子を取り、襟元を崩した晴明に駆け寄ると早速膝枕にあやかり、笑いかけてくれている銀をじっと見つめた。
「お嫁に行っても…ここに帰って来ていい?」
「さあ、その頃には私も妻を娶っているやもしれぬし、難しいかもしれぬな」
「え…っ?それって母様と…ってこと?」
「さあ、先のことはわからぬ。だが…なるべく多く会いに来てほしい。父様からのお願いだよ」
「はい、時々じゃなくって沢山帰って来ます。でも1年もあるし父様とまだまだ一緒に居ていいんでしょ?」
見上げてきた息吹は喜びと悲しみに交互に揺れていて、晴明は息吹の頬を指でくすぐった。
「もちろんだとも。今からどうやって十六夜をやり込めようか、今から楽しみで仕方ないのだよ」
「ふふふっ、主さまがまたほっぺ膨らませて怒っちゃうよ」
「それでもよいのだ。あと1年…父様と暮らしてくれるかい?」
「はいっ」
晴明と銀は瞳め、団扇で扇いでやりながら、空を行く百個夜行を見上げた。
――人と妖の生の長さは違うから、なるべく沢山会いに来てほしい――
晴明と銀はその願いを呑み込み、息吹の頭を撫でた。
…正直言ってまだ実感がない。
主さまから告白されたこと…
主さまに告白したこと…今思うと、顔から火が出そうなくらいに恥ずかしい。
「私のこと…おばあちゃんになっても好きでいてくれるかな」
気になるのはただその一点。
今は若いからいいかもしれないが、人としてゆっくり年老いていき、しわくちゃになって…身体も動かなくなって…
それでも好きでいてもらえるだろうか?
「私も…妖に生まれたかったな」
上せてしまいそうになり、ふらふらしながら風呂から上がり、ふらふらしながら庭を見渡せる部屋へ移動すると、そこには晴明と銀が晩酌をしていた。
「息吹、顔が真っ赤だぞ。さあ、父様の隣に来なさい」
「膝枕してもらってもいい?」
「嫁に行くというのにいつまで経っても子供だな。まあいい、来なさい」
烏帽子を取り、襟元を崩した晴明に駆け寄ると早速膝枕にあやかり、笑いかけてくれている銀をじっと見つめた。
「お嫁に行っても…ここに帰って来ていい?」
「さあ、その頃には私も妻を娶っているやもしれぬし、難しいかもしれぬな」
「え…っ?それって母様と…ってこと?」
「さあ、先のことはわからぬ。だが…なるべく多く会いに来てほしい。父様からのお願いだよ」
「はい、時々じゃなくって沢山帰って来ます。でも1年もあるし父様とまだまだ一緒に居ていいんでしょ?」
見上げてきた息吹は喜びと悲しみに交互に揺れていて、晴明は息吹の頬を指でくすぐった。
「もちろんだとも。今からどうやって十六夜をやり込めようか、今から楽しみで仕方ないのだよ」
「ふふふっ、主さまがまたほっぺ膨らませて怒っちゃうよ」
「それでもよいのだ。あと1年…父様と暮らしてくれるかい?」
「はいっ」
晴明と銀は瞳め、団扇で扇いでやりながら、空を行く百個夜行を見上げた。
――人と妖の生の長さは違うから、なるべく沢山会いに来てほしい――
晴明と銀はその願いを呑み込み、息吹の頭を撫でた。

