手を繋いで歩いていると、前から先程の童子が牛車を引いて現れた。
「晴明様」
「息吹、乗りなさい」
大人しく中に乗り込み、御簾を少し捲って綺麗な平安町に見入っていると、晴明がまた頭を撫でてきて見上げた。
微笑みを絶やさない晴明が一緒に町を見つめながら教えてくれた。
「もう少し大きくなったら一緒に町を歩こう。主さまはきっとお前を取り返しに来るだろうから、大きくなるまで私の屋敷から出てはいけないよ。話しかけられても、答えてはいけない。いいね?」
「でも…」
「妖は言葉で人を騙して、食べてしまうんだ。主さまだって山姫だって、みんなそうだ。姿も見てはいけないよ。私の屋敷は広いから退屈はしないはずだ」
「…はい…」
話していると竹林に囲まれた晴明の屋敷に着き、その広さにぽかんと口を開けていると次々に童子がわらわらと近寄ってきた。
「お帰りなさいませ晴明様」
「この娘は息吹と言う。これから私と一緒に住むから世話を頼んだよ」
「はい」
…こんなに大勢子供が居るのかと勘違いしていると、それが顔に出たのか晴明が笑いながら訂正した。
「あれは皆式神だ。ここには私1人が住んでいる。…おや?」
「おお晴明!待ちかねたぞ!」
独り身の晴明の屋敷の奥から豪快な笑い声を上げながら若い男が出てきた。
「道長…勝手に入るなと言ったはずだが。お前たちにも伝えていたはずだよ」
「ですが…道長様が中へ通さぬと火をつけると脅してきたので…」
晴明が肩を竦め、濃紺の直衣姿の道長は晴明の隣に立つ小さな息吹を見て目が飛び出そうなほどに大きくした。
「晴明…これは式神か?いや違うな、人だろう!?」
「私の屋敷に人が居るとおかしいか?息吹、このうるさい男は私の友人の藤原道長という。度々屋敷に忍び込んでくるから覚えておきなさい」
「はい」
素直に返事をすると、平凡な顔だが優しそうな道長は息吹を抱っこして頭を撫でてくれた。
「事情はわからんが俺もそなたを可愛がってやろう。これからよろしく頼むぞ」
「はい、道長しゃま」
その返事に萌えながら、3人で中へと入った。
「晴明様」
「息吹、乗りなさい」
大人しく中に乗り込み、御簾を少し捲って綺麗な平安町に見入っていると、晴明がまた頭を撫でてきて見上げた。
微笑みを絶やさない晴明が一緒に町を見つめながら教えてくれた。
「もう少し大きくなったら一緒に町を歩こう。主さまはきっとお前を取り返しに来るだろうから、大きくなるまで私の屋敷から出てはいけないよ。話しかけられても、答えてはいけない。いいね?」
「でも…」
「妖は言葉で人を騙して、食べてしまうんだ。主さまだって山姫だって、みんなそうだ。姿も見てはいけないよ。私の屋敷は広いから退屈はしないはずだ」
「…はい…」
話していると竹林に囲まれた晴明の屋敷に着き、その広さにぽかんと口を開けていると次々に童子がわらわらと近寄ってきた。
「お帰りなさいませ晴明様」
「この娘は息吹と言う。これから私と一緒に住むから世話を頼んだよ」
「はい」
…こんなに大勢子供が居るのかと勘違いしていると、それが顔に出たのか晴明が笑いながら訂正した。
「あれは皆式神だ。ここには私1人が住んでいる。…おや?」
「おお晴明!待ちかねたぞ!」
独り身の晴明の屋敷の奥から豪快な笑い声を上げながら若い男が出てきた。
「道長…勝手に入るなと言ったはずだが。お前たちにも伝えていたはずだよ」
「ですが…道長様が中へ通さぬと火をつけると脅してきたので…」
晴明が肩を竦め、濃紺の直衣姿の道長は晴明の隣に立つ小さな息吹を見て目が飛び出そうなほどに大きくした。
「晴明…これは式神か?いや違うな、人だろう!?」
「私の屋敷に人が居るとおかしいか?息吹、このうるさい男は私の友人の藤原道長という。度々屋敷に忍び込んでくるから覚えておきなさい」
「はい」
素直に返事をすると、平凡な顔だが優しそうな道長は息吹を抱っこして頭を撫でてくれた。
「事情はわからんが俺もそなたを可愛がってやろう。これからよろしく頼むぞ」
「はい、道長しゃま」
その返事に萌えながら、3人で中へと入った。

