主さまの唇の感触と、抱きしめてくれる腕の力強さと…
頭がおかしくなってしまいそうなほどに幸せで、されるがままになっていると…
「ちょ、主さ、太股撫でないでっ」
「…これ位許せ。…まあ、触ってもこんなガリガリだったら興奮なんか…」
「く、口の中にもなんか入れた!」
「いつものことだろうが」
――両想いになったとは言え、いつも通りの言い合いをできることに実はちょっとだけ2人とも安心していた。
毎回こんなに緊張していたら気疲れしてしまう。
胸を押して離れようとする息吹をまた抱え直し、両手で頬を包むと息吹の真っ黒な瞳を覗き込んだ。
「皆に問い質されてもこのことは言うな。…お前が俺に嫁ぐ直前までは」
「それって…いつ?私がもっと色々成長したら?」
「そうだ。…そんなに遠い未来じゃない。俺だって早くお前を…」
「ぬ、主さま、もう戻ろっ」
…せっかく勇気を振り絞って想いを打ち明けようとしていたのに、極限にまで恥ずかしがってしまった息吹は両手で耳を塞ぎ、膝から降りるとずるずる後ずさりした。
「…」
「あ、あの…もうお昼すぎたし…主さま眠たいでしょ?夜は百鬼夜行なんだからちょっと寝た方がいいよ」
「…一緒に寝るか?」
「え!?わ、わ、わ、私はお掃除とか銀さんのお相手とか色々しなきゃいけないことがあるからっ」
ものすごく顔が赤くなり、ぱたぱたと手で顔を扇いでいる息吹がおかしくて、つい笑いを堪えきれなくなって背を向け、肩で笑っていると…背中を結構な勢いで叩かれた。
「馬鹿!どうして笑ってるのっ?!」
「いや…なんでもない。確かにそうだな、戻ろう」
さっきは“戻ろう”と自分から言ったくせに、主さまがそれを口にすると名残惜しそうに袖をきゅっと握ってきた。
「…またこうして外で会える?」
「人目がない場所で俺をどうするつもりだ?」
「!やっぱり今の無し!馬鹿!主さまの馬鹿!」
「冗談だろうが。こっちに来い」
ぎゅっと抱き寄せると、怖ず怖ずと胸に顔を摺り寄せてきた。
早く、全てを手に入れたい。
息吹の全てを――
頭がおかしくなってしまいそうなほどに幸せで、されるがままになっていると…
「ちょ、主さ、太股撫でないでっ」
「…これ位許せ。…まあ、触ってもこんなガリガリだったら興奮なんか…」
「く、口の中にもなんか入れた!」
「いつものことだろうが」
――両想いになったとは言え、いつも通りの言い合いをできることに実はちょっとだけ2人とも安心していた。
毎回こんなに緊張していたら気疲れしてしまう。
胸を押して離れようとする息吹をまた抱え直し、両手で頬を包むと息吹の真っ黒な瞳を覗き込んだ。
「皆に問い質されてもこのことは言うな。…お前が俺に嫁ぐ直前までは」
「それって…いつ?私がもっと色々成長したら?」
「そうだ。…そんなに遠い未来じゃない。俺だって早くお前を…」
「ぬ、主さま、もう戻ろっ」
…せっかく勇気を振り絞って想いを打ち明けようとしていたのに、極限にまで恥ずかしがってしまった息吹は両手で耳を塞ぎ、膝から降りるとずるずる後ずさりした。
「…」
「あ、あの…もうお昼すぎたし…主さま眠たいでしょ?夜は百鬼夜行なんだからちょっと寝た方がいいよ」
「…一緒に寝るか?」
「え!?わ、わ、わ、私はお掃除とか銀さんのお相手とか色々しなきゃいけないことがあるからっ」
ものすごく顔が赤くなり、ぱたぱたと手で顔を扇いでいる息吹がおかしくて、つい笑いを堪えきれなくなって背を向け、肩で笑っていると…背中を結構な勢いで叩かれた。
「馬鹿!どうして笑ってるのっ?!」
「いや…なんでもない。確かにそうだな、戻ろう」
さっきは“戻ろう”と自分から言ったくせに、主さまがそれを口にすると名残惜しそうに袖をきゅっと握ってきた。
「…またこうして外で会える?」
「人目がない場所で俺をどうするつもりだ?」
「!やっぱり今の無し!馬鹿!主さまの馬鹿!」
「冗談だろうが。こっちに来い」
ぎゅっと抱き寄せると、怖ず怖ずと胸に顔を摺り寄せてきた。
早く、全てを手に入れたい。
息吹の全てを――

