「…」
「……」
「……ぬ、主さま…なんか言って…」
「…な、何をだ?お前こそ何か話せ」
「やだっ、だって…恥ずかしいっ」
――2人とも、がちがちに緊張していた。
両想いになったというのに、ほとんど言葉も交わさず、抱き合ったまま数分…十数分が経過。
主さまの顔はすぐそこにあるというのにまともに見ることができず、主さまの胸を押した。
「も、離れよ?主さまの息が耳にかかってくすぐったいからっ」
「…屋敷に戻るとなかなかこんな時間は取れないぞ。いいのか?」
…それはいやだったが、主さまを意識しすぎて息ができなくなりだした息吹が主さまの腕からするりと抜け出た。
「主さまのお部屋だったら誰も入ってこないでしょ?」
「…俺が何もしないとでも思っているのか?」
「え?」
乱れた髪を結び直していた息吹がきょとんとなると、自分の台詞に恥ずかしくなってしまった主さまはふいっと身体ごと背けて頬をかいた。
「なんでもない」
「主さま…あの…これって…本当のことだよね?あの…主さまが私のことをってやつ…」
「…何度も言うつもりはない。それより…道長や雪男をどうするつもりだ?」
忘れていたわけではなかったが、それでも主さまが1番好きで、主さまのお嫁さんになりたいと思っていたし、告白してくれた2人の気持ちは嬉しかったが…主さまが1番だ。
どうやったら2人を傷つけずに今の関係を維持できるか…
息吹の顔が曇り、そして2人同時に口を開いた。
「このことは秘密にしよう」
「みんなにはしばらく内緒にしとこ?」
考えていたことも同じで、くすっと笑うと、主さまの隣にちょこんと座った。
「主さま内緒にできる?」
「俺よりお前だろうが。それに…お前はがりがりだし色気も足りないし、熟すにはまだ時間がかかる。嫁に来ると言ってもまだ先の話だ」
「…がりがりじゃないもんっ!ほらっ、触ってみてよ!」
強引に主さまの手を取って太股に乗せると、一瞬にして顔が赤くなった主さまが手を振り払い…怒られた。
「俺をからかうな!」
…なんだかいつも通り。
「……」
「……ぬ、主さま…なんか言って…」
「…な、何をだ?お前こそ何か話せ」
「やだっ、だって…恥ずかしいっ」
――2人とも、がちがちに緊張していた。
両想いになったというのに、ほとんど言葉も交わさず、抱き合ったまま数分…十数分が経過。
主さまの顔はすぐそこにあるというのにまともに見ることができず、主さまの胸を押した。
「も、離れよ?主さまの息が耳にかかってくすぐったいからっ」
「…屋敷に戻るとなかなかこんな時間は取れないぞ。いいのか?」
…それはいやだったが、主さまを意識しすぎて息ができなくなりだした息吹が主さまの腕からするりと抜け出た。
「主さまのお部屋だったら誰も入ってこないでしょ?」
「…俺が何もしないとでも思っているのか?」
「え?」
乱れた髪を結び直していた息吹がきょとんとなると、自分の台詞に恥ずかしくなってしまった主さまはふいっと身体ごと背けて頬をかいた。
「なんでもない」
「主さま…あの…これって…本当のことだよね?あの…主さまが私のことをってやつ…」
「…何度も言うつもりはない。それより…道長や雪男をどうするつもりだ?」
忘れていたわけではなかったが、それでも主さまが1番好きで、主さまのお嫁さんになりたいと思っていたし、告白してくれた2人の気持ちは嬉しかったが…主さまが1番だ。
どうやったら2人を傷つけずに今の関係を維持できるか…
息吹の顔が曇り、そして2人同時に口を開いた。
「このことは秘密にしよう」
「みんなにはしばらく内緒にしとこ?」
考えていたことも同じで、くすっと笑うと、主さまの隣にちょこんと座った。
「主さま内緒にできる?」
「俺よりお前だろうが。それに…お前はがりがりだし色気も足りないし、熟すにはまだ時間がかかる。嫁に来ると言ってもまだ先の話だ」
「…がりがりじゃないもんっ!ほらっ、触ってみてよ!」
強引に主さまの手を取って太股に乗せると、一瞬にして顔が赤くなった主さまが手を振り払い…怒られた。
「俺をからかうな!」
…なんだかいつも通り。

