脚を踏ん張って拒否する息吹に怒鳴ってやりたかった。
“俺のことが好きじゃないのか”と。
…だがそれは腰抜けのやること。
意外と男らしさにこだわる主さまは妥協して隣を指した。
「じゃあここに来い」
「…そこなら…いいけど…」
怖ず怖ずと近寄って来て、怖ず怖ずと隣に腰を下ろし、目も合わせない息吹は…緊張しているのだろうか。
それともやはり、あれは晴明が自分をからかおうとして見せた幻だったのだろうか。
最高に緊張している主さまにはもうその判断がつかなくなっており、騙されてもいいという決意の下、自身の膝を見つめた。
「…好きな男が居ると言ったな」
「!ま、またその話?主さまには絶対教えないんだから何度聴いてきたって教えないよ」
「いや、いい。俺が言いたいのはそんなことじゃない」
「え?じゃあ…なに?」
ひとつ大きく息をつき、視線の端に息吹を捉えると…それを口にした。
「…好きな女が居る」
「…っ!ふ、ふうん…。主さま…好きな人が…居たんだ…」
「誰だか知りたいか?」
「べ、別に私は関係ないし。…もう告白したの?“好きだ”って言ったの?…いつ…お屋敷に住むの?……いつ…会えなくなるの…?」
だんだん声が震えてきて、息吹と目が合うと思いきり顔を逸らされ、肩が震えているのが見えた。
…意地悪をするんじゃなかった、と後悔しながらも、これが幻ではないことがわかり、主さまは…ついにそれを口にした。
「息吹、こっちを向け」
「…やだ。今…変な顔してるから」
「息吹………お前が…好きだ」
「………え…?」
振り返り様、唇を奪った。
動転して動けずにいる息吹の腰に手を回して引き寄せると、涙で顔がぐちゃぐちゃの息吹の耳元で、頑張ってもう1度だけ、言った。
「俺が好きなのは…お前だ」
「…嘘!な、なんでそんな嘘……っ」
「嘘じゃない。いい加減認めろ。俺が好きなのはお前で、お前が好きなのは…俺だろう?」
「!どうしてそのこと…主、さ…」
深く深く口づけをした。
想いが届くように、と――
“俺のことが好きじゃないのか”と。
…だがそれは腰抜けのやること。
意外と男らしさにこだわる主さまは妥協して隣を指した。
「じゃあここに来い」
「…そこなら…いいけど…」
怖ず怖ずと近寄って来て、怖ず怖ずと隣に腰を下ろし、目も合わせない息吹は…緊張しているのだろうか。
それともやはり、あれは晴明が自分をからかおうとして見せた幻だったのだろうか。
最高に緊張している主さまにはもうその判断がつかなくなっており、騙されてもいいという決意の下、自身の膝を見つめた。
「…好きな男が居ると言ったな」
「!ま、またその話?主さまには絶対教えないんだから何度聴いてきたって教えないよ」
「いや、いい。俺が言いたいのはそんなことじゃない」
「え?じゃあ…なに?」
ひとつ大きく息をつき、視線の端に息吹を捉えると…それを口にした。
「…好きな女が居る」
「…っ!ふ、ふうん…。主さま…好きな人が…居たんだ…」
「誰だか知りたいか?」
「べ、別に私は関係ないし。…もう告白したの?“好きだ”って言ったの?…いつ…お屋敷に住むの?……いつ…会えなくなるの…?」
だんだん声が震えてきて、息吹と目が合うと思いきり顔を逸らされ、肩が震えているのが見えた。
…意地悪をするんじゃなかった、と後悔しながらも、これが幻ではないことがわかり、主さまは…ついにそれを口にした。
「息吹、こっちを向け」
「…やだ。今…変な顔してるから」
「息吹………お前が…好きだ」
「………え…?」
振り返り様、唇を奪った。
動転して動けずにいる息吹の腰に手を回して引き寄せると、涙で顔がぐちゃぐちゃの息吹の耳元で、頑張ってもう1度だけ、言った。
「俺が好きなのは…お前だ」
「…嘘!な、なんでそんな嘘……っ」
「嘘じゃない。いい加減認めろ。俺が好きなのはお前で、お前が好きなのは…俺だろう?」
「!どうしてそのこと…主、さ…」
深く深く口づけをした。
想いが届くように、と――

