明らかに顔を火照らせてもじもじしている息吹が何を言おうとしているのかまではわからなかったが、瞳を潤ませて何かを伝えようとする息吹にどきっとした主さまは半身を起き上がらせた。
「な、なんだその顔は…」
「私…道長様に求婚されたの」
「…それで?」
冷静に努めながらも内心道長にめらっときた主さまが舌打ちをすると、息吹は膝の上で拳を握りしめながら意を決して言い放った。
「私…道長様より主さまの方が好き!」
「…!息吹…お前…それはどういう意味で…」
「わ、わかんないならいいの!それが言いたかっただけだから!」
声を上ずらせ、慌てて逃げようとした息吹の手を主さまが引っ張り、倒れ込ませた。
…信じられない、という表情で。
「道長より…俺が好きなのか?」
「だから…そう言ったでしょ?主さま手を離してっ」
「お前が好いているのは…まさか……俺なのか…?」
ますます顔が赤くなった息吹の反応は主さまを動揺させ、唇を半開きにしてどこかぽかんとした表情の主さまに思わず息吹は噴き出してしまい、俯いた。
「どう…思う?」
「…もしそうなら…俺を拒絶するな」
「え?………主、さま…」
顔を上げた瞬間、唇が重なった。
ものすごく情熱的で、そこに愛を感じた息吹はもしかしたら主さまも同じ気持ちなのではないかと思い、背中に腕を回して抱き着くと、顎を取って上向かせられ、さらに強く唇が重なった。
「や、だ、主さま…」
「いやなら…やめるぞ」
「…意地悪…」
そのまま縺れ合うように床に倒れ込み、激しく求めてくる主さまに眩暈を感じながらも問うた。
「私のこと…好き…?」
「…好いていなかったらこんなことはしない」
――それは主さまなりの告白。
鈍感な息吹はそれに気付きはしなかったが、少なくとも自分を好いてくれていることを知って舞い上がり、声が上がりそうなのを必死で耐えていると…
ぱきん。
主さまの琴線に歪なる音が響き渡り、またもや舌打ちをしながら身体を起こした。
幽玄町に侵入者がやって来た。
「な、なんだその顔は…」
「私…道長様に求婚されたの」
「…それで?」
冷静に努めながらも内心道長にめらっときた主さまが舌打ちをすると、息吹は膝の上で拳を握りしめながら意を決して言い放った。
「私…道長様より主さまの方が好き!」
「…!息吹…お前…それはどういう意味で…」
「わ、わかんないならいいの!それが言いたかっただけだから!」
声を上ずらせ、慌てて逃げようとした息吹の手を主さまが引っ張り、倒れ込ませた。
…信じられない、という表情で。
「道長より…俺が好きなのか?」
「だから…そう言ったでしょ?主さま手を離してっ」
「お前が好いているのは…まさか……俺なのか…?」
ますます顔が赤くなった息吹の反応は主さまを動揺させ、唇を半開きにしてどこかぽかんとした表情の主さまに思わず息吹は噴き出してしまい、俯いた。
「どう…思う?」
「…もしそうなら…俺を拒絶するな」
「え?………主、さま…」
顔を上げた瞬間、唇が重なった。
ものすごく情熱的で、そこに愛を感じた息吹はもしかしたら主さまも同じ気持ちなのではないかと思い、背中に腕を回して抱き着くと、顎を取って上向かせられ、さらに強く唇が重なった。
「や、だ、主さま…」
「いやなら…やめるぞ」
「…意地悪…」
そのまま縺れ合うように床に倒れ込み、激しく求めてくる主さまに眩暈を感じながらも問うた。
「私のこと…好き…?」
「…好いていなかったらこんなことはしない」
――それは主さまなりの告白。
鈍感な息吹はそれに気付きはしなかったが、少なくとも自分を好いてくれていることを知って舞い上がり、声が上がりそうなのを必死で耐えていると…
ぱきん。
主さまの琴線に歪なる音が響き渡り、またもや舌打ちをしながら身体を起こした。
幽玄町に侵入者がやって来た。

