「その布団を…持って帰る?」
晴明が息吹を迎えに現れると、息吹は主さまの布団を抱え、笑顔で頷いた。
「主さまのと交換したのっ。今日からこのお布団で寝ます」
…百鬼夜行のために集まった百鬼たちが一斉ににやついた。
息吹と主さまの距離が少しずつ縮まっている様子が見てとれるので、あちこちでひそひそと声が交わされると、主さまが声を荒げた。
「…詮索するな!」
「息吹、それは置いていきなさい。こちらで昼寝をするような時があれば使えばよい」
「でも…」
晴明の命令は絶対なので、息吹は名残惜しげにもう1度布団についている主さまの香りをくんくんすると、主さまの耳が真っ赤になった。
「…早く押入れに入れて来い」
「うん…。持って帰りたかったな」
ぽつりと呟くと、縁側に座っていた晴明がさも今思い出したかのようにぽんと膝を叩くと押入れに布団を押し込めている息吹に声をかけた。
「そういえば今宵道長が久々に我が屋敷へ来ると文を寄越してきたよ。久々に3人で月見でもしようか」
「えっ、本当ですか?わあ、道長様お久しぶりですね!お元気だといいな」
「あれは関白になる男だから多忙だろう。そなたが道長の心を癒してやりなさい」
「はいっ」
――途端主さまの顔がむっとしたのを見て、ついぞくぞくしてしまった晴明は腕を組んで瞳を細めると激しく見下ろしてくる主さまをちろりと見上げた。
「なんだ?何か言いたげな顔をしているが」
「…まさか息吹の好いている男とは…」
「さあてどうだったか。気になるならそなたも来ればよい」
「…俺はこれから百鬼夜行だぞ」
「ならば諦めよ。監視は私がきっちりやる故案ずるな」
庭に下りて妖たちときゃいきゃいやっている息吹は父代わりの男2人が牽制し合っていることには全く気付いておらず、そうこうしているうちに雪男が息吹の肩に触れていてむかっとすると晴明の扇子を奪って雪男に投げつけた。
「いてっ!」
「勝手に触るんじゃない」
「主さまのもんじゃねえだろ。…まだ」
…そしてここでも牽制が。
息吹だけ、きょとん。
晴明が息吹を迎えに現れると、息吹は主さまの布団を抱え、笑顔で頷いた。
「主さまのと交換したのっ。今日からこのお布団で寝ます」
…百鬼夜行のために集まった百鬼たちが一斉ににやついた。
息吹と主さまの距離が少しずつ縮まっている様子が見てとれるので、あちこちでひそひそと声が交わされると、主さまが声を荒げた。
「…詮索するな!」
「息吹、それは置いていきなさい。こちらで昼寝をするような時があれば使えばよい」
「でも…」
晴明の命令は絶対なので、息吹は名残惜しげにもう1度布団についている主さまの香りをくんくんすると、主さまの耳が真っ赤になった。
「…早く押入れに入れて来い」
「うん…。持って帰りたかったな」
ぽつりと呟くと、縁側に座っていた晴明がさも今思い出したかのようにぽんと膝を叩くと押入れに布団を押し込めている息吹に声をかけた。
「そういえば今宵道長が久々に我が屋敷へ来ると文を寄越してきたよ。久々に3人で月見でもしようか」
「えっ、本当ですか?わあ、道長様お久しぶりですね!お元気だといいな」
「あれは関白になる男だから多忙だろう。そなたが道長の心を癒してやりなさい」
「はいっ」
――途端主さまの顔がむっとしたのを見て、ついぞくぞくしてしまった晴明は腕を組んで瞳を細めると激しく見下ろしてくる主さまをちろりと見上げた。
「なんだ?何か言いたげな顔をしているが」
「…まさか息吹の好いている男とは…」
「さあてどうだったか。気になるならそなたも来ればよい」
「…俺はこれから百鬼夜行だぞ」
「ならば諦めよ。監視は私がきっちりやる故案ずるな」
庭に下りて妖たちときゃいきゃいやっている息吹は父代わりの男2人が牽制し合っていることには全く気付いておらず、そうこうしているうちに雪男が息吹の肩に触れていてむかっとすると晴明の扇子を奪って雪男に投げつけた。
「いてっ!」
「勝手に触るんじゃない」
「主さまのもんじゃねえだろ。…まだ」
…そしてここでも牽制が。
息吹だけ、きょとん。

