息吹が落ち着くまで背中を撫でてやっていると、息吹がうとうとし始めた。
「泣き疲れたのか?まだまだ餓鬼だな」
「餓鬼で…いいもん…。そしたら…まだ主さまの傍に…居れるでしょ…?」
…可愛いことを言ってくれる。
内心そう思ったがもちろんそれを口に出して言えるはずもなく、息吹を自分の床に寝かせると団扇で風を扇いでやった。
息吹はそんな主さまをうとうとしながらも見つめ、主さまの膝に触れた。
「私の好きな人…知りたい?」
「…もうどうでもいい。言うつもりもないくせに聴くな」
「えへ…」
そして眠りに落ちていき、お揃いの黄色の髪紐を解いてやると、音を立てないように自室から出て山姫を呼びつけた。
「なんなんですか?あたしは忙しいんですよ」
「ちょっと座れ」
高圧的な態度はいつものことなので山姫が歯向かわずに縁側に座った主さまの隣に腰を下ろすと、独り言のようにぼそっと呟いた。
「…あれを拾ったのはいつだった?」
「長月(9月)の中ごろだったと思いますけど…どうしてですか?」
「あの時息吹は生まれて間もなかった。ということは…生まれ月は長月だな」
「それがどうしたんですか?」
妖は誕生日など祝わないので、もちろん山姫もそう思っていて怪訝そうに首を傾げると、主さまは軽く膝を叩いて山姫を視線を合わせた。
「息吹が“誕生日を知らない”と言っていた。…俺の誕生日は3日後だ。同じ日に祝ってやりたい」
「誕生日…。ああ、そういえば人は誕生日を祝うんでしたね!あたしったらすっかり忘れてて…!」
「息吹が気付かないように手筈を整えろ。誕生日を盛大に祝うよう百鬼に通達しろ。すぐに動け」
「は、はい!」
息吹は百鬼に好かれている。
皆が皆、“息吹は俺が育てた”と言い張って喧嘩になることもあるので、今回の作戦は皆乗ってくれるだろう。
「息吹に何か贈り物を…」
だが何を贈ればいいのか思いつくはずもなく、早速雪女に相談しようと腰を上げた。
主さまが贈り物をするのは息吹だけ。
とことん、息吹だけには甘いのだ。
「泣き疲れたのか?まだまだ餓鬼だな」
「餓鬼で…いいもん…。そしたら…まだ主さまの傍に…居れるでしょ…?」
…可愛いことを言ってくれる。
内心そう思ったがもちろんそれを口に出して言えるはずもなく、息吹を自分の床に寝かせると団扇で風を扇いでやった。
息吹はそんな主さまをうとうとしながらも見つめ、主さまの膝に触れた。
「私の好きな人…知りたい?」
「…もうどうでもいい。言うつもりもないくせに聴くな」
「えへ…」
そして眠りに落ちていき、お揃いの黄色の髪紐を解いてやると、音を立てないように自室から出て山姫を呼びつけた。
「なんなんですか?あたしは忙しいんですよ」
「ちょっと座れ」
高圧的な態度はいつものことなので山姫が歯向かわずに縁側に座った主さまの隣に腰を下ろすと、独り言のようにぼそっと呟いた。
「…あれを拾ったのはいつだった?」
「長月(9月)の中ごろだったと思いますけど…どうしてですか?」
「あの時息吹は生まれて間もなかった。ということは…生まれ月は長月だな」
「それがどうしたんですか?」
妖は誕生日など祝わないので、もちろん山姫もそう思っていて怪訝そうに首を傾げると、主さまは軽く膝を叩いて山姫を視線を合わせた。
「息吹が“誕生日を知らない”と言っていた。…俺の誕生日は3日後だ。同じ日に祝ってやりたい」
「誕生日…。ああ、そういえば人は誕生日を祝うんでしたね!あたしったらすっかり忘れてて…!」
「息吹が気付かないように手筈を整えろ。誕生日を盛大に祝うよう百鬼に通達しろ。すぐに動け」
「は、はい!」
息吹は百鬼に好かれている。
皆が皆、“息吹は俺が育てた”と言い張って喧嘩になることもあるので、今回の作戦は皆乗ってくれるだろう。
「息吹に何か贈り物を…」
だが何を贈ればいいのか思いつくはずもなく、早速雪女に相談しようと腰を上げた。
主さまが贈り物をするのは息吹だけ。
とことん、息吹だけには甘いのだ。

