氷菓子屋の軒先に出された長椅子に2人で座り、甘い苺の味がする液体をかけて細かく削った氷を食べた。
「今頭がきぃーんって言った!」
「美味いな」
はじめて氷菓子を口にした主さまが驚きの声を上げると、息吹は脚をぷらぷらさせながら匙で半分ほど掬って主さまの器に移した。
「私の分けてあげるね。今日のお礼」
「…もう帰るのか?」
「私の用はこれで済んだけど主さまは?どこかに行くならお付き合いするよ」
本当は用という用はないのだが、このまま屋敷へ戻ってしまえば息吹と2人きりになることはできない。
なので氷菓子を口に入れながら並ぶ商店を見つめ、簪などの髪飾りが置いてある店を指した。
「ひとつ何か買ってやる。選んで来い」
「えっ?いいの?私がお買い物に付き合ってもらったのに…」
「思えばお前には何も贈ったことがなかった。せっかく美しく育ったんだからもっと美しくなってこい」
考えなしに口にした言葉は息吹の顔を赤くさせて、主さまもそれが伝染してしまいながら氷菓子をかき込んだ。
「じゃあ主さまが選んで。私に似合いそうなやつ。早く早くっ」
手を引かれて立ち上がると、相変わらず衆目を浴びながらも息吹と2人きりで買い物しているのが楽しくてつい口元がにやけた。
「どれもとっても綺麗!だけど…とっても高い…」
「値段は気にするな。俺を誰だと思っている?この町の主だぞ」
偉そうに胸を張っていると、息吹がじっくりと品定めしながら手にしたのは…黄色の髪紐だった。
「これを2本。主さまとお揃いでつけるのっ」
「…そんなんでいいのか?」
「うんっ。でも買ってくれるだけじゃ駄目だよっ、同じ日に一緒のつけようね」
――心底心がほっこりする。
息吹と話していると安らぎ、欲しいものならなんでも買い与えてやりたいと思ってしまう。
「わかった」
金を払い、紙に包んでもらって息吹に手渡すと、巾着の中に入れてとても大切そうに胸に抱きしめた。
「またこうして主さまとどこかに行きたいな」
「…俺もだ」
蚊の鳴くような声は息吹に届かなかった。
「今頭がきぃーんって言った!」
「美味いな」
はじめて氷菓子を口にした主さまが驚きの声を上げると、息吹は脚をぷらぷらさせながら匙で半分ほど掬って主さまの器に移した。
「私の分けてあげるね。今日のお礼」
「…もう帰るのか?」
「私の用はこれで済んだけど主さまは?どこかに行くならお付き合いするよ」
本当は用という用はないのだが、このまま屋敷へ戻ってしまえば息吹と2人きりになることはできない。
なので氷菓子を口に入れながら並ぶ商店を見つめ、簪などの髪飾りが置いてある店を指した。
「ひとつ何か買ってやる。選んで来い」
「えっ?いいの?私がお買い物に付き合ってもらったのに…」
「思えばお前には何も贈ったことがなかった。せっかく美しく育ったんだからもっと美しくなってこい」
考えなしに口にした言葉は息吹の顔を赤くさせて、主さまもそれが伝染してしまいながら氷菓子をかき込んだ。
「じゃあ主さまが選んで。私に似合いそうなやつ。早く早くっ」
手を引かれて立ち上がると、相変わらず衆目を浴びながらも息吹と2人きりで買い物しているのが楽しくてつい口元がにやけた。
「どれもとっても綺麗!だけど…とっても高い…」
「値段は気にするな。俺を誰だと思っている?この町の主だぞ」
偉そうに胸を張っていると、息吹がじっくりと品定めしながら手にしたのは…黄色の髪紐だった。
「これを2本。主さまとお揃いでつけるのっ」
「…そんなんでいいのか?」
「うんっ。でも買ってくれるだけじゃ駄目だよっ、同じ日に一緒のつけようね」
――心底心がほっこりする。
息吹と話していると安らぎ、欲しいものならなんでも買い与えてやりたいと思ってしまう。
「わかった」
金を払い、紙に包んでもらって息吹に手渡すと、巾着の中に入れてとても大切そうに胸に抱きしめた。
「またこうして主さまとどこかに行きたいな」
「…俺もだ」
蚊の鳴くような声は息吹に届かなかった。

