大人しく息吹から髪を梳かれ、髪紐を結んでもらっていると、雪女と雪男が起きてきた。
「あ、雪ちゃんと雪女さんおはようございますっ」
「楽しそうにしてるけどどうした?」
「あのねっ、主さまと幽玄町でお買い物してくるのっ。こんなのはじめてなんだよ、しかもお日様出てるのに!主さま大丈夫?」
「…着替える」
「あ、じゃ、じゃあ出てるねっ」
雪男の唇がみるみる尖ったので、腕を組んでそっぽを向いてしまった雪男の袖の上から手を握ると背伸びをして顔を近付けた。
「雪ちゃんも一緒行く?番傘があれば大丈夫でしょ?」
「…や、俺はいいや。暑いし殺されたくねえし」
「?雪女さんは?」
「私も遠慮しておきます。さ、行ってらっしゃいな」
――そこで息吹もはたと気付いた。
買い物には山姫と行こうと思っていたのだが忙しそうにしているし…
雪男や雪女には断られたし…
とすれば、主さまと2人きり。
「え…、じゃあ私…主さまと2人でお買い物するの?」
「いやなのか?」
「!ぬ、主さま!いやじゃないよっ」
音もなく襖が開いたと思ったら主さまが脇を通り抜け、草履を穿いた。
藍色の着物に黒い帯…
髪紐の色に合わせてくれたのか、とても良く似合っていて意図せず息吹がふんわり微笑むと、主さまはさっさと玄関に回って行ってしまった。
「待って待って!じゃあ行ってきますっ!」
「何か主さまにおねだりしておいで」
慌てて後を追うとすでに主さまは暑そうにしていて、今にも気が変りそうな気がしたのでしっかり袖を掴むと高いところにある主さまの顔を見上げた。
「…何を買うんだ?」
「筆なの。父様のお手伝いをして貯めたお金で買いたいの。父様はいつも沢山贈ってくれるけど私は何もお返しできてないなーって思って…。だから付き合ってねっ」
晴明への贈り物だと聞いて口がへの字になると、臍を曲げたことに気が付いた息吹が腰に抱き着いてきた。
「やだっ、ついて来て!」
「わ、わかったから離れろ!」
結局は息吹の思うがまま。
「あ、雪ちゃんと雪女さんおはようございますっ」
「楽しそうにしてるけどどうした?」
「あのねっ、主さまと幽玄町でお買い物してくるのっ。こんなのはじめてなんだよ、しかもお日様出てるのに!主さま大丈夫?」
「…着替える」
「あ、じゃ、じゃあ出てるねっ」
雪男の唇がみるみる尖ったので、腕を組んでそっぽを向いてしまった雪男の袖の上から手を握ると背伸びをして顔を近付けた。
「雪ちゃんも一緒行く?番傘があれば大丈夫でしょ?」
「…や、俺はいいや。暑いし殺されたくねえし」
「?雪女さんは?」
「私も遠慮しておきます。さ、行ってらっしゃいな」
――そこで息吹もはたと気付いた。
買い物には山姫と行こうと思っていたのだが忙しそうにしているし…
雪男や雪女には断られたし…
とすれば、主さまと2人きり。
「え…、じゃあ私…主さまと2人でお買い物するの?」
「いやなのか?」
「!ぬ、主さま!いやじゃないよっ」
音もなく襖が開いたと思ったら主さまが脇を通り抜け、草履を穿いた。
藍色の着物に黒い帯…
髪紐の色に合わせてくれたのか、とても良く似合っていて意図せず息吹がふんわり微笑むと、主さまはさっさと玄関に回って行ってしまった。
「待って待って!じゃあ行ってきますっ!」
「何か主さまにおねだりしておいで」
慌てて後を追うとすでに主さまは暑そうにしていて、今にも気が変りそうな気がしたのでしっかり袖を掴むと高いところにある主さまの顔を見上げた。
「…何を買うんだ?」
「筆なの。父様のお手伝いをして貯めたお金で買いたいの。父様はいつも沢山贈ってくれるけど私は何もお返しできてないなーって思って…。だから付き合ってねっ」
晴明への贈り物だと聞いて口がへの字になると、臍を曲げたことに気が付いた息吹が腰に抱き着いてきた。
「やだっ、ついて来て!」
「わ、わかったから離れろ!」
結局は息吹の思うがまま。

