雪男が息吹を求める気持ちもわからないでもないが、もし息吹が好いている男が雪男だったら?
仮定の話であっても主さまの瞳に昂った時に浮かぶ蒼白い炎が燃え上がり、雪女が背中を結構激しく叩いてその頬を打ち消した。
「私の息子に殺気を叩き付けないで下さいな。あの方の血を受け継いだたったひとりの息子なんですから」
「…息吹は俺のものだ。あれの好いている男が雪男だったら………なんでもない」
「主さま…もしかして…初恋なの?」
問われ、きょとんとなった。
初恋?
それはどんなものだ?
――すると雪女は心底驚いたように瞳を見開き、百鬼夜行中にも関わらず笑い声を上げて周囲の妖たちの首を傾げさせた。
「うふふふふ、初恋なんですね?いやだわ主さま…お幾つだと思ってらっしゃるの?」
「だからその初恋とはなんだ、言え!」
つい声を荒げると、雪女は声を落として主さまの左胸をぽんと叩いた。
「書いて字の如く…はじめて恋を覚えた、のですよ。息吹さんが誰かと話しているといらいらするしむかむかするでしょう?」
「…ああ、する」
「それが男だった場合もっといらいらするし、息吹さんの全てが欲しいと思うでしょう?」
「…愛とは別物か?」
「え?」
「…俺は息吹を愛している。あれを食いたいほどに愛している。それとは別物なのかと聞いている」
…まさか恋を飛び越えて愛を口にするとは。
予想を超えた主さまの情熱に雪女の頬がほんのり桜色に染まり、袖で顔を隠して身をよじった。
「は、激しいですわ主さま…」
ついむきになって晴明にも言ったことのないような本音を口にしてしまい、主さまの顔は…いや、手先まで一気に赤くなると、雪女の肩を突いて離れさせた。
「今のは誰にも話すな。あと俺に助言をしろ。晴明に相談すると茶化されるからこれからはお前に聴く」
「女心を私に聴こうとしているのですか?…そうですね、私は人間の男を愛しましたから主さまには共感できます。助言はいいですけど息子は殺さないで下さいね」
「…」
それには無言を貫き通した。
仮定の話であっても主さまの瞳に昂った時に浮かぶ蒼白い炎が燃え上がり、雪女が背中を結構激しく叩いてその頬を打ち消した。
「私の息子に殺気を叩き付けないで下さいな。あの方の血を受け継いだたったひとりの息子なんですから」
「…息吹は俺のものだ。あれの好いている男が雪男だったら………なんでもない」
「主さま…もしかして…初恋なの?」
問われ、きょとんとなった。
初恋?
それはどんなものだ?
――すると雪女は心底驚いたように瞳を見開き、百鬼夜行中にも関わらず笑い声を上げて周囲の妖たちの首を傾げさせた。
「うふふふふ、初恋なんですね?いやだわ主さま…お幾つだと思ってらっしゃるの?」
「だからその初恋とはなんだ、言え!」
つい声を荒げると、雪女は声を落として主さまの左胸をぽんと叩いた。
「書いて字の如く…はじめて恋を覚えた、のですよ。息吹さんが誰かと話しているといらいらするしむかむかするでしょう?」
「…ああ、する」
「それが男だった場合もっといらいらするし、息吹さんの全てが欲しいと思うでしょう?」
「…愛とは別物か?」
「え?」
「…俺は息吹を愛している。あれを食いたいほどに愛している。それとは別物なのかと聞いている」
…まさか恋を飛び越えて愛を口にするとは。
予想を超えた主さまの情熱に雪女の頬がほんのり桜色に染まり、袖で顔を隠して身をよじった。
「は、激しいですわ主さま…」
ついむきになって晴明にも言ったことのないような本音を口にしてしまい、主さまの顔は…いや、手先まで一気に赤くなると、雪女の肩を突いて離れさせた。
「今のは誰にも話すな。あと俺に助言をしろ。晴明に相談すると茶化されるからこれからはお前に聴く」
「女心を私に聴こうとしているのですか?…そうですね、私は人間の男を愛しましたから主さまには共感できます。助言はいいですけど息子は殺さないで下さいね」
「…」
それには無言を貫き通した。

