唇を重ねているうちに熱がこもってしまい、息吹を押し倒しそうになると、息吹が肩を押してきた。
「駄目、主さま…。隣に父様たちが…」
「…隣に居なければいいのか?では今夜のお前の予定は?」
「…か、帰りますっ。主さまの助平っ」
慌てて膝から降りると縁側から抜け出て、主さまはがりがりと髪をかき上げると腰を上げ、襖を開けた。
「おや、息吹はどこへ?」
「…息吹の好きな男の名を言え」
「それを私から聴いたところで嬉しいか?息吹の口から聴いた方がいいと思うが」
「口を割らない。だから教えろ」
「残念ながらそれはできぬなあ。私がそなたに名を教えてしまえばそなたは今からその男を殺しに行くだろう?」
「…」
いつも冷静で顔色を変えない主さまが燃え上がるような瞳をしているので雪女が目を真ん丸にして山姫の膝を叩いた。
「ちょ、ちょっと…主さまが別人だけど…」
「息吹のことになると主さまはああなっちまうんだよ。面白いだろ?」
それが聴こえたのかぎらっと睨まれ、山姫は主さまと目を合わせないように目を泳がせ、晴明が仁王立ち状態の主さまに扇子を軽く投げつけた。
「少し落ち着け。息吹はどこに行った?」
「…帰ると言っていた」
「では私も帰るとするか。十六夜、そなたの感情だけで突っ走るのはやめてくれ。あの子には好いた男が居るのだ。誰だかは言えぬが息吹の気持ちも汲み取ってやれ」
「…知るか」
音を立てて襖が閉まり、3人は顔を見合わせ、ため息をついた。
「あんな主さまははじめて見たわ」
「そうかい?あんなもんだよねえ、晴明」
「ああ、あんなものだな。さて、娘を捜してくるとしよう。山姫、また来る」
「ふん、息吹は来てもいいけどあんたは来なくてもいいよ」
「可愛い奴め」
山姫の口がへの字になると満足したのかくすくす笑いながら晴明も居なくなり、さらに雪女の目がまん丸になった。
「あらあら…晴明はあなたを口説いてるの?」
「し、知らないよ!」
みんな、意地っ張り。
「駄目、主さま…。隣に父様たちが…」
「…隣に居なければいいのか?では今夜のお前の予定は?」
「…か、帰りますっ。主さまの助平っ」
慌てて膝から降りると縁側から抜け出て、主さまはがりがりと髪をかき上げると腰を上げ、襖を開けた。
「おや、息吹はどこへ?」
「…息吹の好きな男の名を言え」
「それを私から聴いたところで嬉しいか?息吹の口から聴いた方がいいと思うが」
「口を割らない。だから教えろ」
「残念ながらそれはできぬなあ。私がそなたに名を教えてしまえばそなたは今からその男を殺しに行くだろう?」
「…」
いつも冷静で顔色を変えない主さまが燃え上がるような瞳をしているので雪女が目を真ん丸にして山姫の膝を叩いた。
「ちょ、ちょっと…主さまが別人だけど…」
「息吹のことになると主さまはああなっちまうんだよ。面白いだろ?」
それが聴こえたのかぎらっと睨まれ、山姫は主さまと目を合わせないように目を泳がせ、晴明が仁王立ち状態の主さまに扇子を軽く投げつけた。
「少し落ち着け。息吹はどこに行った?」
「…帰ると言っていた」
「では私も帰るとするか。十六夜、そなたの感情だけで突っ走るのはやめてくれ。あの子には好いた男が居るのだ。誰だかは言えぬが息吹の気持ちも汲み取ってやれ」
「…知るか」
音を立てて襖が閉まり、3人は顔を見合わせ、ため息をついた。
「あんな主さまははじめて見たわ」
「そうかい?あんなもんだよねえ、晴明」
「ああ、あんなものだな。さて、娘を捜してくるとしよう。山姫、また来る」
「ふん、息吹は来てもいいけどあんたは来なくてもいいよ」
「可愛い奴め」
山姫の口がへの字になると満足したのかくすくす笑いながら晴明も居なくなり、さらに雪女の目がまん丸になった。
「あらあら…晴明はあなたを口説いてるの?」
「し、知らないよ!」
みんな、意地っ張り。

