息吹の口が驚きに大きく開き、晴明の瞳が細くなってゆっくりと腕を組んだ。
「どういう意味かな?」
「主さま…母様とどういう関係…?」
今まで気にしたことがなかったが山姫は主さまの百鬼夜行に1番最初に加わった妖。
どんな出会いだったのか聞いたことがなく、また訊ねもしなかった。
『ご、誤解だよ!あたしと主さまは変な仲なんかじゃ…』
「でも!主さまに裸を見られたんでしょ?母様…主さまのこと、好きなの…?」
つい声が小さくなってしまった自身に気付いて隣の主さまを睨むと、主さまは口元を緩めて微笑を作った。
「山姫は美しいからな。晴明、そうだろう?」
「…だが男女の仲だとは聞いていない。今まで隠していたのか?」
勝手に話が進んで行ってしまい、息吹の唇が限界にまで尖って立ち上がろうとした時――
『あたしが人間の男の精根を吸い尽くしてやろうとしてた時に主さまが現れたんだ。もちろんあの時あたしは裸だった。それだけの話さ』
真相が明かされて内心ほっとしたのは晴明だ。
ゆっくりと腕を解くと主さま以上の微笑を見せて水晶球に映る山姫を覗き込んだ。
「そういうことだったか。危うく主さまを殺めてしまうところだった」
『ぬ、主さまと息吹に手を出したら許さないからね!』
「…え?!父様の好きな方って…母様なの!?」
驚きに満ちた息吹と、早々に山姫に真相を語られて唇を尖らせた主さまと、そして主さまに仕返しをするための案を練るために晴明が山姫に手を振った。
「ではまた連絡する。主さまは一応五体無事ではあるが、そなたの肌を見た罰は受けてもらおう。ではまた」
『ちょ…っ』
勝手に連絡を分断して主さまに向き直った晴明の顔といったら…
「晴明様怖い顔してる」
「おい、これは随分前の話…」
「私を怒らせたことに代わりはないぞ。よし決めた。此度の旅では息吹とは2人きりにはさせぬ」
…しまった。
晴明を懲らしめてやろうとしたのが完全に裏目に出た主さまが舌打ちすると、息吹は晴明の腕に絡み付いてそれに同意した。
「主さまの馬鹿。もう知らないっ」
…がっくり。
「どういう意味かな?」
「主さま…母様とどういう関係…?」
今まで気にしたことがなかったが山姫は主さまの百鬼夜行に1番最初に加わった妖。
どんな出会いだったのか聞いたことがなく、また訊ねもしなかった。
『ご、誤解だよ!あたしと主さまは変な仲なんかじゃ…』
「でも!主さまに裸を見られたんでしょ?母様…主さまのこと、好きなの…?」
つい声が小さくなってしまった自身に気付いて隣の主さまを睨むと、主さまは口元を緩めて微笑を作った。
「山姫は美しいからな。晴明、そうだろう?」
「…だが男女の仲だとは聞いていない。今まで隠していたのか?」
勝手に話が進んで行ってしまい、息吹の唇が限界にまで尖って立ち上がろうとした時――
『あたしが人間の男の精根を吸い尽くしてやろうとしてた時に主さまが現れたんだ。もちろんあの時あたしは裸だった。それだけの話さ』
真相が明かされて内心ほっとしたのは晴明だ。
ゆっくりと腕を解くと主さま以上の微笑を見せて水晶球に映る山姫を覗き込んだ。
「そういうことだったか。危うく主さまを殺めてしまうところだった」
『ぬ、主さまと息吹に手を出したら許さないからね!』
「…え?!父様の好きな方って…母様なの!?」
驚きに満ちた息吹と、早々に山姫に真相を語られて唇を尖らせた主さまと、そして主さまに仕返しをするための案を練るために晴明が山姫に手を振った。
「ではまた連絡する。主さまは一応五体無事ではあるが、そなたの肌を見た罰は受けてもらおう。ではまた」
『ちょ…っ』
勝手に連絡を分断して主さまに向き直った晴明の顔といったら…
「晴明様怖い顔してる」
「おい、これは随分前の話…」
「私を怒らせたことに代わりはないぞ。よし決めた。此度の旅では息吹とは2人きりにはさせぬ」
…しまった。
晴明を懲らしめてやろうとしたのが完全に裏目に出た主さまが舌打ちすると、息吹は晴明の腕に絡み付いてそれに同意した。
「主さまの馬鹿。もう知らないっ」
…がっくり。

