**side 渚**
次の日の夕方
俺は大学の講義が終わると、その足で駅に向かい電車に揺られていた
そして電車から流れる風景を見るともなしに眺めながら
昨日、希美から聞いた話しを思い出していた
希美の話しは衝撃的なモノだった
その話しを聞き終わった後、俺は言葉が出てこなかった
希美が教えてくれたこと…
それは美鈴が消息を断った一年後…小さな田舎町で美鈴を見つけたというものだった
まさかそんなに早く見つかっていたなんて…
どうしてもっと早く教えてくれなかったんだ?
俺はこの3年間…何のためにもがき苦しんでいたというんだろう…
でも希美の話しを聞いているうちに
希美を責める気持ちは無くなった
それは仕方のないことだと言うことがわかったから…
『美鈴様は小さな小さな田舎町に、お父様と身を隠す様に暮らしていらっしゃいました…』