「中学生が飲酒なんてダメだろ!?」


「固い事言わないの。」


「やめてくれよ。宿題どうすんだよ?」


アッケに取られてる。


「し〜らないっ。」


「知らないじゃないだろ?」


ビールを取り上げようとするが、あたしの体が反射的に避けちゃった。


「前祝なんだから、ゆっくり飲ませてよ。」


「ダメだ!!飲むんだったら、コーラにしなさい。」


2人で部屋の中を走り回ってた。


霧生が追いかけて、あたしが逃げて…。


飲んで運動したから、酔いが回るのが早かった。


いつの間にか、ソファで寝ちゃってた。


目が覚めて気付いたら、朝の6時前。


慌てて飛び起きた。


お兄ちゃん心配してるよなぁ…。


霧生はまだ起きない。


そ~っと部屋を出て行くと、ダッシュで家に帰った。


ダッシュで走り続けて12分で家に着いた。


家が近所で良かった…。


なんて、ちょっとホッとした。


音を立てないように、ゆっくりと玄関のドアを開けた。


親に見つかるからじゃなく、お兄ちゃんに見つかりたくないだけ。


「ずいぶんと早起きだね。」


背中越しに優しい声がした。