二人で窓から脱走した。


尚吾の手に引っ張られながら、真冬の深夜に裸足でワンピース1枚で。


真っ白い息を吐きながら、ひたすら走り続けた。


凍えそうな冬の深夜なのに、心は温かくて仕方なかった。


尚吾の気持が嬉しくて…。


繋いだ手を伝ってあたしの胸の中に、とめどなく温かいモノが伝わってきて。


心の中が、尚吾の愛情でいっぱいになって溢れ出てる。


手を引っ張ってくれる尚吾の後姿に、涙が止まらない。


痛いくらい伝わる愛情に、あたしの気持ちは不思議な変化が起こってた。


今までと違って、恋って気持ちにも似てる?


信頼感がそこにあった。


だけど、好きになるのは怖かった。



----失う物があるような気がして。



臆病な自分に負けたのだ…。