あの日以来『G』には行ってない。


行く用事もないし、行く必要もなかったから。


久しぶりの『G』は、相変わらず危ない雰囲気だ。


初めてフロアに降り立つと、爆音が耳を突き刺す。


目の前には、確実に高校生と分かる子達が、堂々とタバコを吸い酒を飲んでいる。


なかには中学生や小学生と明らかに分かるような子達が、ロッカーや物陰でセックスしている。



何なの?!この無法地帯は。



唖然としながらも、亮太の好みそうな女の子を物色した。


暗くって、イマイチ顔がハッキリしない。


フロア奥の目立たないドアから、1人の女の子が出てきた。


観葉植物で、入り口が見えなかったけど、何があるのか?


興味本位で近づいて行った。


「あっ!!尚吾さんの彼女さん??」


後ろから肩を叩き、声をかけてきた男。


振り返り顔を見ると、あたしを襲った男じゃん?!


「あのさ、あたし尚吾の彼女なんかじゃないし。」


イラついた声で言う。


「あれ?違ったんですか?」


不思議そうに、首をかしげた。


「違います!!!」


ハッキリ・キッパリ否定した。


「おっかしぃ~なぁ~。尚吾さん、ご機嫌に彼女だって言ってましたけど…。」


アイツめ!!!