「今日、ダチと用事があるんだ。帰り送らねーけどいいか?」

ある日の放課後、西園寺くんが言った。

私は特に何も考えず頷く。

久々に部活仲間と帰ろうかな?
そんな事を考えながら。





 夕暮れ時の学校を後にしようと校門へ向かった時、私の目にこの学校の物ではない制服姿が映った。

私はギクリと身を強ばらせる。

「ね、あれ……」

一緒にいた子達が騒ぎ出す。

それは、その制服が隣街の不良が多い事で有名な蘭海高校の物だからだ。

「蘭高の人が何で?まさか西園寺くんに用とか」