「あの、西園寺くん……」 思わず言葉を発した私を遮る様に、西園寺くんは私の手のひらを握りしめた。 「……悪かった、巻き込んで」 「えっ?」 「まさか、こんな事になるなんて考えてなかった」 「……うん」 「お前を預かってるって言われた時、息が止まりそうだった」 「……ごめんね」 「俺1人やられりゃどうにかなると思ってたが、正直ヤバかったな」 自嘲気味に、西園寺くんは笑う。 「……あの、助けに来てくれて……ありがとう」 「カッコ悪かったけどな」