「……お前、体温低い?」 不意に、西園寺くんが目を開けた。 「な、何の話?」 私は驚いて手を離す。 「だってお前の手、冷たいし……」 「当たり前じゃない!怖かったんだからっ。……今だって、怖いよ」 私はギュッと両手を握る。 ホントだ、冷たい。 「何でだよ。もう、終わるんだから怖くねぇだろ?」 状況を見極めた西園寺くんが、諭すようにそう言った。 でも、私の目の前にいるこの人は……。 「……だって、西園寺くん……怪我っ……」 「…お前、泣いてんのか?」