その時、表に通じる大きな扉が開いて、たくさんの男子が走り込んできた。

その先頭に立つ数人の男子の制服には見覚えがある。

ウチの学校のだ。


「玲!」

「お前、ら……」

息も絶え絶えにそう言った西園寺くんは、彼らの顔を見ていつものニヤリとした笑みを浮かべた。

「くっそ、やるぞ!」

誰かがそう叫んだ途端、あちこちでケンカが始まった。

私をつかんでいた彼もどこかへ行ってしまい、私は周りの状況に1人怯える。


すると、グイッと肩が引っ張られた。

「やだっ……!」

「バカ、俺……だ」