男子達の声の中を通り抜けた、高い私の声。 一瞬止まったその空気の中、私は西園寺くんの所に駆け寄っていた。 「もう……やめてよ!何でこんな事するのっ」 西園寺くんを背にかばうように立って、彼を殴っていた人達を睨む。 「おーおー、威勢がいいねー」 誰かが笑う。 「寺島……バカやろ、出て……くんな」 後ろで苦しそうにうめくのは西園寺くん。 「こんな、1人によってたかって恥ずかしくないの!」 「うわっ、『恥ずかしくないのっ』だって!」