―――そして、気が付くと今の状況だった訳だ。 「……はぁ、どうしよう」 私は今居る部屋の中を見渡す。 埃がかって、長く掃除されていない様なこの部屋は、無機質な机や椅子も放置されている。 壁には落書きがされていたり、そこら辺に空のペットボトルが転がっていたりする。 「よい、しょ……」 私は、足が自由な事に気が付いてゆっくりと起き上がってみた。 ソファーの背もたれからヒヤリと冷たい温度が手に伝わる。 私以外誰もいない部屋を歩いて、ドアの側に来てみた。