学校をサボってるのを喜ぶなんて、ちょっと不謹慎な気もしてしまう。

けれど、私につかの間の平穏が訪れたのだけは確かだった。

とはいえそれも、長くは続かなかったけど。





 お昼前の時間、教室に入ってきた人影にみんながざわめいた。

「さっ、西園寺だ……」

「何か怪我してない?」

思わず私もそちらを見ると、口の端に切った様な傷を作った西園寺くんと目が合った。