五代さんが叫んだのをきっかけに、周りで一斉に喧嘩が始まった。 「遥、絶対離れるなよ!」 怒号が飛び交う中、陽二さんが私に叫んだ。 私は声を出さない様に言われているので、慌てて頷いた。 帽子を深めにかぶり直して、身構える。 陽二さんはこちらに向かってきた男子を、私に寄せ付けないように攻撃した。 みるみるうちに、何人もの男子が倒れて動けなくなっていく。 誰がどちらなのか見分けがつかなかったけど、陽二さんが言うにはこちらの方が押しているらしかった。