「 束縛したいわけじゃない 」 そう言うと、彼は体を少し離して 私の頬を両手で包み込んだ。 彼の瞳は私を捉えて、 目を逸らすことを許さなかった。 「 外に出たいなら、出してやる。 けど、絶対俺の傍から離れるな 」 歪んだ、彼の顔が近付いてきて 抵抗もできずに、唇を奪われた。 長いキスに、意識は朦朧として 頬を濡らす涙は、私のものなのか 彼のものなのか、わからなかった。