真実はいつだって 嘘になる。 いつの間にか嘘が 真実になって、 人を伝って流れて行く。 誰よりも警戒心の強い狼は いつになったら人に弱みを 見せるんだろうか。 いつの間にか切れていた電話に 気づいて、携帯を向かいのソファに 放り投げる。 未だに寝ている美優ちゃんを 起こさないようにそっと抱き上げて 寝室に運ぶ。 「 おやすみ 」 柔らかい髪を撫でて、 俺は部屋を出た。